嘘つき男爵。

2002年11月20日
あー今夜も彼女から電話があった。

延々と主に彼の話。
正直、疲れた。
何というか、しんどいな。

「私も実は彼のことが好きでした」

いや

「彼が好きな時期がありました」

などとは、今さら
絶対に、絶対に、言えない状況。

装う、隠す、言わない、知らんぷり。

まぁ彼女にバレることはないだろう。

そして、正直こう思うのだ。

あの時は、一時の迷いで
彼のことを好きだと思い込んでいたのだと。
今、思い出すと
自分がしていたことや思っていたことが
何だか、妙にカッコわるいなって。

あぁ、もう消し去りたい過去。
微妙な過去。
中途半端な過去。
到達感のない過去。

けれど私は彼女に対して
嘘つきになるんだろうか。

ほんとに現在は何とも思わなくなった彼に対する
過去の私の気持ちを
お話しなきゃならないんだろうか。

しんどい。論文もあるのに。

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